コロコロ変わる。もう大人の都合で入試制度を変えるのは止めにしないか。 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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コロコロ変わる。もう大人の都合で入試制度を変えるのは止めにしないか。

キーワードで振り返る平成30年史 第22回

■再来年からは大学入学共通テストに

 これだけ混迷した大学入試制度だが、再来年には大学入試センター試験に代わって、大学入学共通テストなるものが導入される。これで苦しむのは再来年の受験生だろう。現制度と新制度の双方に備えた受験勉強など容易にできるわけもなく、事実上浪人が許されない環境での進路決定を余儀なくされる。

 それに加えて東京への人口集中を避ける目的で、首都圏の大学が軒並み募集人数を縮小、雪崩式にその影響が関西や中京地区にも派生して、その結果、以前なら教科書レベルをそこそこマスターしていれば合格できた大学の合格最低点がセンター7割を超えるなどという状況も生まれている。

 

 世代を超える機会の均等を目指すならルールは安易に変えるべきではない。当然時代のニーズと将来性を考慮した対応は必要だが、それとて十分な移行期間を設けて臨むべきだろう。ともあれ、今冬のそして来冬の大学受験生たちは、試験のための勉強のみならず、こうした制度の変遷にも翻弄されながら戦っている。改めて彼らには暖かい目を注いでやりたい。

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後藤 武士

ごとう たけし

平成研究家、エッセイスト。1967年岐阜県生まれ。135万部突破のロングセラー『読むだけですっきりわかる日本史』(宝島社文庫)ほか、教養・教育に関する著書多数。


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